エンディングノートを書いてみたら、サブスクが思ったより重荷だった話|50代おひとりさまの途中報告

おひとりさま

「エンディングノート、買ったまま開いていない」

——そんな話、わりとよく聞きます。私自身、買おうかどうか迷っていたタイプでした。

ところがひょんなことから、自分用のエンディングノートアプリを手に入れて、ようやく実際に書いてみる機会ができました。

開いてみると、思ったよりもすらすら書けた項目と、ペンがぴたりと止まる項目がありました。

そして——「一番の発見」は、思いもよらないところにありました。今日はその、途中報告です。

エンディングノートを「書く」というより、書きながら自分の暮らしに「気づく」体験になった話を、50代おひとりさまのリアルとして、まとめておきたいと思います。


おひとりさまだから、すらすら書けたこと

エンディングノートを開いて、まず驚いたのは——思ったよりもすらすら書けた項目が、けっこうあったということでした。

特に進みが早かったのは、次の3つです。

葬儀・お墓のこと

「最低限でいい」

これが、開いて1分で出てきた答えでした。豪華な式は望まないし、お墓も大がかりなものは要らない。

ひとりで暮らしてきた身として、自分の希望を出すときに「これでいいのか」と相談する家族がいない——だから、迷わずに決められたのだと思います。

遺品の処分

これも、即決でした。「全部処分でOK」。

50代の今から少しずつ身辺整理を意識しているとはいえ、長く生きていればモノはどうしても増えます。それでも、誰かに「これを引き継いでね」と託したいモノが、ほとんどない。

「ひとりだからこの辺りは問題なくできた」——書きながらそう感じました。

口座関連

口座情報の欄を書きながら、ふと手が止まりました。

書けないわけではないのです。書けるのですが、「もっと整理しとかないといけないな」と気づいてしまったのです。

使っていない口座、ほとんど残高のない口座、ネット銀行の本人確認のためだけに開いた口座……。

書いていけば書けるけれど、いざ自分に何かあったときに、誰かにこの一覧を渡すと思うと——「もっとシンプルにできるはず」と、書きながら宿題が増えていきました。

「迷う家族がいないから、すらすら書ける」。これがこんなところで強みになるとは、開いてみるまで気づきませんでした。


意外と少なかった「連絡してほしい人」

次に進んだのが、「もしものとき、身内以外で連絡してほしい人」の欄でした。

ここで、ちょっと意外な発見がありました。

「あれ、思ったより少ないな」

寂しいとか、悲しいとかではなく、シンプルな事実として、そう感じたのです。

50代の今、年賀状のやり取りもだいぶ整理してきました。連絡先は知っているけれど、もしものときにわざわざ伝えてほしい相手——というところまで絞ると、本当にひと握りでした。

これも、おひとりさまのリアルなんだろうと思います。

人付き合いを断捨離してきたわけではなく、自然と「今の自分にとって大切な人」が浮き上がってきた、という感覚に近いかもしれません。

書きながら、その数人の顔をひとりずつ思い浮かべる時間にもなって——意外と、悪くない時間でした。


ペンが止まった「大切な人へのメッセージ」

すらすら進んできたエンディングノートが、ピタッと止まったのが、ここでした。

ペンが、動きませんでした。

「大切な人に残しておきたいメッセージ」

書きたいことが思い浮かばないわけではないのです。むしろ、いろいろなことが頭をよぎります。でも、「最後に残す言葉」と思うと、急に重くなる。

「ありがとう」と書いてみても、なんだか軽い気がする。かといって、長い手紙を書こうとすると、構えてしまって筆が進まない。

——結局、メッセージ欄は、白紙のまま閉じることになりました。

書けないことが、悪いことでもない

最初は「全然書けなかったな」と、少し落ち込みました。

でも、しばらく考えて——「すぐ書けないこと自体は、悪いことじゃない」と思い直しました。

エンディングノートは、一度書いたら終わり、というものでもありません。「もう少し考えてみる」と言える余白を残せるのが、エンディングノートのいいところだと思うのです。

書けるところから書いて、書けない欄は寝かせておく。何ヶ月か後にまた開いて、そのとき書ける言葉だけ書く。それで、いいのかもしれません。

完成させなくちゃいけないものでもない——そう思えただけで、ノートとの距離が、少し近くなった気がします。


一番の発見、「サブスク」が思ったより重荷だった

ここからが、今回の「途中報告」のメインの発見です。

エンディングノートの後半に、「毎月の支払い」を書き出す欄がありました。

家賃や光熱費は、すぐ書けます。問題は、その次の——サブスクリプション(月額課金サービス)でした。

書き出してみたら、9つあった

ひとつずつ思い出しながら書いていったら、最終的にこうなりました。

  • 家計簿アプリ
  • パスワード管理(1Password)
  • エンタメ系のサービス × 2つ
  • AI関連サービス(ChatGPTなど) × 複数

合計で、9つ

月々の合計は、約1万5,000円。年に換算すると、18万円です。

書き終わって、ぽかんとしました。

えっ、こんなにあったっけ……?

これが、いちばん正直な感想でした。

「結構忘れてた」サブスクもあった

書き出していて気づいたのは、支払っていること自体を忘れていたサブスクがあったということでした。

引き落としは自動で進むので、毎月明細をじっくり見ていなければ、気づかないまま続いていきます。

「いつ申し込んだっけ」と思い出せないものまでありました。きっと、何かのキャンペーンで「初月無料」に惹かれて、そのまま——というパターンだと思います。

家計簿アプリで把握できるはず、と思っていたのに、結局、自分で書き出してみるまで全体像が見えていなかった。

これが、書いてみて初めてわかったことでした。


実家の片付けはカード解約、私の世代はサブスク

サブスクのことを書き出しながら、ふと思い出していたのが、父の入居準備で実家を片付けたときのことでした。

父の世代は、サブスクが少ない

父の片付けで大変だったのは、銀行・クレジットカード・各種の会員契約の解約でした。紙の通知や請求書をひとつずつ確認して、電話やハガキで手続きしていきます。

それでも、父の世代(80代)はサブスクには入っていないんです。

毎月自動で引き落とされる「月額〇〇円のサービス」というものに、そもそも縁がない世代。だから、ある意味では、解約する対象が「目に見えるもの」だけで済みました。

私の世代は、サブスクが多い

ところが、私たち50代はどうでしょうか。

スマホで申し込めるサブスクがあふれていて、しかもID・パスワードがないと解約できないものがほとんどです。

もし私に何かあったとき——

  • 自動引き落としは止まらない(カードが生きている限り続く)
  • 解約しようにも、どのサービスに入っているか家族が把握できない
  • 把握できても、ログインIDとパスワードを知らないと解約できない
  • 結局、カード会社経由で止めるしかなくなる

書き出してみて、「これは、思っていたよりずっと厄介だ」と気づきました。

「迷惑をかけてしまうかもしれない」

父の片付けはカード解約でしたが、私の片付けはサブスク解約になります。しかも、父のときよりも手間がかかる可能性が高い。

おひとりさまの場合、その「片付け」をしてくれるのは、姉や、もしかしたら役所の人かもしれません。会ったこともない誰かに、私のIDとパスワード一覧を渡すことを想像する——けっこう、ぞっとしました。

もっと減らしてシンプルにしておかないと

これが、書いてみて初めてわかった、私の宿題でした。


この機会に、2つ解約しました

書き出した9つのサブスクを眺めながら、冷静に考えてみました。

「これ、本当に毎月使ってる?」

そう問いかけてみると、不思議なことに、答えが見えてきました。

勢いで課金していたものがあった

エンタメ系のひとつは、最初の数ヶ月はよく使っていたのですが、最近はほとんど開いていません。「いつか観るかも」「年会費にしたから安いし」と思って続けていたのですが、よくよく考えてみると、過去半年間でほぼ使っていない

AI関連サービスのひとつも、似たような状況でした。新しいものが出ると、つい試してみたくなって、複数契約していました。でも、結局よく使うのはそのうちの1つか2つ。

——勢いで課金して、そのまま放置していたんだな、と気づきました。

この機会に、2つ解約

ということで、エンタメ系1つとAI関連1つ、合わせて2つを解約しました。

月にして、約3,000円ほど。年で約3.6万円の節約です。

大きな金額ではないかもしれません。でも、「もう使っていないのに払い続けていた」ことに気づいて、行動に移せた——これが、自分にとっては大きな一歩でした。

でも、全部減らせばいいわけじゃない

ここでひとつ、書いておきたいことがあります。

サブスクの中でも、1Password(パスワード管理)は、終活的にむしろ「残すべき」ツールだと感じました。

なぜなら——

  • 銀行、クレジットカード、各種サービスのIDとパスワードを一元管理できる
  • もしものとき、信頼できる誰かにマスターパスワードを伝える仕組みがある
  • バラバラの紙やメモで管理するより、遺族の負担がぐっと減る

「シンプルにする」とは、何でも捨てることではないんだと思います。残すべきものは残して、要らないものを手放す。メリハリをつけて整える——それが、本当の意味でのシンプル化なのかもしれません。

サブスクをひと括りに「減らす」のではなく、ひとつずつ「これは要る、これは要らない」を見直す。書いてみて、初めてできた整理でした。


「シンプルにしておく」が、新しい終活

ここまで書いてきて、ひとつの気づきに辿り着きました。

「終活=書類を整える」だけじゃない

書類を残すことも、もちろん大事です。でも、それ以上に——

日々の暮らしを身軽にしておくのも、立派な終活

なんじゃないか、と。

要らないサブスクを止める。使っていない会員サービスを退会する。読まない雑誌の定期購読を解約する。これって、自分が生きている今の暮らしも軽くしてくれるし、もしものときの誰かへの負担も減らせる——一石二鳥なんですよね。

5本目の記事で「終活で気になる9つのこと」を書きました。あのときの私は、まだ「終活=書類とお金の準備」というイメージが強かったように思います。

でも、エンディングノートを実際に開いて書いてみたら——終活はもっと日々の暮らしに直結したものだと、わかりました。

「捨てる」というより、「整える」。

「準備する」というより、「身軽にしておく」。

そういう感覚に、少しずつ近づいているところです。


おわりに

エンディングノートは、半分も埋まりませんでした。

メッセージ欄は白紙のままですし、口座も「もう少し整理してから書く」状態。猫のことや後見人のことは、また別の機会に調べながら進めていこうと思っています。

でも、書いてみて、よかったです。

書く前は「終活=重い作業」というイメージがありました。でも、実際に開いてみたら——書くより、気づくためのノートだったんだと思います。

すらすら書けた項目から、自分のおひとりさまとしての強みに気づきました。

ペンが止まった項目から、急がなくていいことに気づきました。

そして一番大きかったのは、サブスクから「日々の暮らしを身軽にしておく」という新しい終活の視点に気づけたこと。

エンディングノートは、完成させなくちゃいけないものではないと思います。ゆっくり育てていくものなんじゃないかと、書いてみて、思いました。

これから少しずつ、書き足したり、書き直したりしながら、自分のペースで続けていきます。

エンディングノートは、書店でも手に入りますし、ネットでも買えます。私が5本目の記事でご紹介した黒田尚子さんの本は、最初の1冊として手に取りやすく、おすすめです。

迷っているなら、まず1冊買ってみる。開いてみる。書ける欄から、書いてみる。

それだけで、見えてくる景色が、変わるかもしれません。


本記事には、もしもアフィリエイトを経由したAmazon/楽天市場へのリンクを含みます。実際に使ってよかったもの、これから手に取ってみたいものを、自分の言葉でご紹介しています。

タイトルとURLをコピーしました