「ケアハウスに入るときって、何を持って行けばいいんだろう?」
数週間前まで、私もそう思っていました。施設から「準備するものリスト」をいただいたときは、これでひと安心、と思ったほどです。
でも、実際に準備を進めてみると——リストにあるものだけでは足りなかったし、リストに書かれていないけれど必須のものもありました。
2026年5月18日、父が無事にケアハウスへ入居しました(その経緯は父のケアハウス入居が決まった日に書いています)。
今日は、入居の準備でわかった「揃えてよかったもの」「実家から持っていって買わずに済んだもの」「リストには書かれていなかった盲点」を、50代でひとり親の介護を担う私のリアルとして、まとめておこうと思います。
これから親の入居準備に向き合う方の、少しでも参考になれば嬉しいです。
入居前に揃える「書類」のリアル
入居準備で最初に直面したのは、書類の多さでした。
「ケアハウスに入る」というと施設にお願いする感覚ですが、実際に手続きをしてみると、書類の量は賃貸契約に近いものでした。
役所で取った書類
- 介護保険負担割合証(再発行)
- 所得課税証明書
役所での手続きは、思った以上に時間がかかります。負担割合証も「家のどこかにあったかも?」と探したのですが結局見つからず、再発行することに。書類関係は、入居の予定が決まったらすぐに揃え始めるのがおすすめです。
施設で記入した主な書類
手元に残っているものを並べてみると、こんな感じです(実際はこのほかにも、いくつか記入したものがありました)。
- 重要事項説明書
- 介護予防特定施設入居者生活介護 利用契約書
- 身元保証人に関する書類
- 月々の利用料の口座引き落としの書類
- ベッド(レンタル)の契約書
並べてみると、たしかに「賃貸契約+介護サービスの契約」がセットになっている感じで、書類の量に少しだけ気が遠くなりました。
ただ、施設の方が一つひとつ丁寧に説明してくれたので、流れに沿って進めれば大丈夫です。
——書類は、入居の何日も前に揃え始めて、余裕を持って準備してください。当日にバタつきません。
実家から持っていったもの=買わなくて済んだもの
これは、入居準備でいちばん「助かった」と感じたパートです。
父が以前ひとり暮らしをしていた実家には、まだ使える家電や日用品が残っていました。そこから運んだものは、結果的に新規購入をぐっと抑えることにつながりました。
実家から運んだもの一覧
| 物 | 状態 | 気づき |
|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 買い替えて1〜2年 | (後述)少し大きすぎたかも |
| 洗濯機 | 買い替えて1〜2年 | そのまま転用 |
| 掃除機 | 充電式の軽いもの | 高齢者にも使いやすい |
| テレビ | やや古いけど動作OK | まだ使えるものは持ち込み |
| 掛け布団 | 施設指定「薄いもの」を頂き物の未使用品で | 指定があったので頂き物が活きた |
| タオル類 | 実家にまだ大量にある | 行き先ができて気持ちも整理された |
タオルが思いがけず「行き先ができた」気持ちは、別のnote記事でも書きました。「持っていく」だけでなく「実家を片付ける」ことにもつながる、ささやかな副作用がありました。
冷蔵庫が少し大きすぎた、という反省
実家で使っていた冷蔵庫は、もともと「ひとり暮らし向け」にひとまわり小さくしてあったもの。これなら大丈夫だろうと思って持ち込んだのですが——
ケアハウスは食事提供がある施設なので、実はもっと小さい冷蔵庫でも十分でした。中に入れるのは、せいぜい飲み物と簡単な間食くらい。
「家にあるから」を優先しすぎず、入居先の生活シーンに合わせたサイズで選ぶのが、本当はベストだったかもしれません。
ただ、新規購入を抑えられたメリットは大きかったので、結果的にはこれで良かったかなと思っています。
新規に買ったもの(合計 10万円前後)
ここからは「実費」のパートです。
季節の変わり目だったこともあって、衣類が多めになりました。生活雑貨・寝具・床保護・防災用品まで含めて、合計で10万円前後の出費になりました。
内訳は次の通りです。
衣類まわり
- 下着
- パジャマ
- 普段着
ここ何年か、父は入退院を繰り返していたこともあって、肌着やパジャマもそろそろ替え時でした。新しい生活のスタートに合わせて、一式新しくしました。
家具・収納
- テレビ台:組み立て式の2段ボックスを横置きにして代用
- 部屋用の物干し
ホームセンターで買った組み立て式の2段ボックスは、横にするとちょうどテレビが乗るサイズ。価格も手頃で、扉付きなら中にも小物が収納できます。
私はイオンでオープンタイプの2段ボックス(白)を購入しましたが、楽天市場でも横置きOKの同タイプのものが手に入ります。テレビ台の代用にも、ベッド周りの小棚にも使えて重宝しました。
寝具まわり
- ベッドパッド(3枚)
- ラバーシート(3枚くらい)
レンタルベッドの上に敷くものです。汚れたときの替えがすぐ用意できるよう、複数枚そろえるのがポイントです。
床の保護用品(詳しくは次の章で)
- パンチカーペット(8畳分)
- カーペット用の鋲
生活雑貨・防災用品
- トイレットペーパー
- 洗剤、スポンジ
- 防災用のライト
- 備蓄用の水(1箱)
防災用品は、ひとり部屋に親が暮らすからこその「もしものとき」の備えです。日常では使わなくても、置いてあるだけで安心感がちがいます。
私はイオンで多機能タイプの防災ライト(手回し・乾電池両対応)を購入しましたが、楽天市場ではラジオ・LEDライト・スマホ充電・SOSなど機能がさらに揃ったものも手に入ります。停電や災害時、ひとり部屋で過ごす親の備えとして、こうした多機能のものを1つ置いておくと安心です。
施設経由で手配してもらったもの
- ポータブルトイレ
「これは必ず用意してください」と施設から最初に言われたうちの1つ。私は施設経由で手配しました。夜間や、トイレまで間に合わないときの備えとして、部屋に置いておくものです。
自分でAmazonなどで買うか、施設経由でお願いするか——施設に確認すると、選択肢が見えてきます。
「リストに書かれていなかった」盲点
ここが、今回いちばん書いておきたかったパートです。
施設からもらった「準備するものリスト」は、とても親切で、よくまとまっていました。でも、実際に部屋を整えてみて、はじめて気づいたことが、いくつもありました。
盲点①:畳の部屋には、床の保護が必要
父の部屋は、畳敷きの8畳間。父は歩行器を使うので、畳が傷んでしまう心配がありました。
最初は「クッションフロアを敷けばいいかな」と思ってホームセンターで相談したのですが、店員さんから——
「畳の上にクッションフロアは、湿気がこもるのでオススメしません」
と教えてもらいました。
代わりに勧められたのが、パンチカーペットでした。
パンチカーペットを選んでよかったポイント:
- 通気性がよく、畳を傷めにくい
- 8畳分でも軽くて、ひとりで運べる
- ホームセンターで部屋のサイズに合わせてカットしてくれる
- 細かい部分のカットも自分でしやすい
- カーペット用の鋲で簡単に固定できる
私は8畳分を一度に運んで、ひとりで敷くことができました。「ひとりで作業できる」というのは、おひとりさまで親の入居準備をしているとき、本当に大事なポイントだと感じます。
私は近くのホームセンターで「ファミリーパンチ エコタイプ」を購入しましたが、楽天市場では同タイプの「ワタナベ工業 エコパンチカーペット(EPタイプ)」が手に入ります。
盲点②:テレビ台がない
施設の部屋には、収納とミニキッチンはあったのですが、テレビを置く棚はありませんでした。
実家には大きさのちょうどいい棚があったのですが、古くて重くて、ひとりで運ぶのは無理。今回は知り合いに手伝ってもらえたので、いったんは持ち込みを諦めて、ホームセンターで組み立て式の2段ボックスを横置きにしてテレビ台として代用しました。
これが意外と使い勝手がよくて、扉付きなので中に小物も収納できます。
盲点③:ベッド周りに、物を置く小さな棚がない
入居当日、ベッドを設置してから気づいたのが、ベッド周りに本や眼鏡、リモコンを置く小さな棚がないことでした。
何もない部屋に、ベッドが1台ぽつんとある状態を見て、「あ、これは何か置く場所が要るな」と。
ということで、もう1つ、組み立て式の2段ボックスを追加購入することに。テレビ台と同じものなので統一感は出ましたが、入居前にもう1つ買っておけばよかった、というのが反省点です。
盲点④:枕がない!
これは、リストの盲点というより、私自身の盲点でした。
入居当日、ベッドを設置して、シーツとベッドパッドを敷いて——「あれ、枕は?」と気づいたとき、私は思わず笑ってしまいました。
冷静に考えればベッドに枕は当然必要なのに、施設のリストに書かれていなかったこともあって、完全に頭から抜けていたのです。
施設からのリストは、あくまで「最低限」のもの。自分で考えて補う余地は、必ず残っている——そう実感した出来事でした。
入居当日(2026年5月18日)の流れ
最後に、入居当日の実際の流れを書いておきます。これから準備される方の、当日のイメージづくりに少しでも役立てば。
午前:レンタルベッド納入
私が現地に着く前、午前中のうちに、レンタルベッドが部屋に納入されていました。ベッドは施設経由のレンタルをお願いしていたので、こちら側での立ち会いは特に必要なく、施設で受け取って設置してもらえました。
昼前〜午後:部屋の最終セットアップ
正直なところ、最終セットアップは前日までに済ませてしまうつもりでした。
でも、いざ部屋に立ってみると、忘れているものや足りないものがあれもこれも——前日中に終わらせるのは諦めて、当日に持ち越した、というのが本音です。
私が昼前くらいに部屋に到着して、やったことはざっとこんな感じです。
- 前回敷きそびれていたカーペット用の鋲打ち
- 組み立て式2段ボックスの組み立て(テレビ台用)
- 部屋用の物干しの組み立て
- 細々した生活雑貨を、備え付けの収納棚に整理
- テレビの設置
「枕がない!」と気づいたのも、このタイミングでした。ベッドが先に納入されていたから、枕の不在に気づけた——準備って、実物を前にしないと見えないものがあるな、と感じました。
午後:父をケアハウスへお迎え
部屋の準備がだいたい整ったあと、父のもとへ。
幸い、父が入院していた病院は、ケアハウスのすぐ隣(同じ系列の施設で、病院からケアハウスへの紹介でつながった経緯です)。
父は車椅子で施設の方が送ってくださり、私は荷物が結構あったので車に乗せて運びました。
退院から入所まで、まるでバトンを渡すような流れで、スムーズに新しい生活の場所へつなげていただけました。
「ようやく、たどり着いたな」と、車を停めたときにひとつ深呼吸をしました。
おわりに:「最低限から、少しずつ」
ケアハウスへの入居準備を通して、いちばん心に残ったのは、契約のときに施設の方から言われた一言です。
「生活してみないと、わからないことがあります。」
「最初に全部揃えようとせず、足りないものは生活しながら少しずつ揃えていくのが、現実的ですよ。」
最初は「ちゃんと完璧に揃えなきゃ」と気負っていた私にとって、この言葉はとても救いになりました。
実際、入居してみて初めて「枕がない!」「棚が足りない!」と気づくくらいですから、本当にその通りだと思います。
——準備は、完璧にしようとしなくていい。
最低限のものから始めて、生活の中で気づいたら、その都度足していけばいい。
50代でひとり親の介護を担うと、自分で全部背負わなきゃと思いがちです。でも、入居の準備くらいでも「足りないことに、後から気づいてもいい」と思えると、肩の力がふっと抜けるんだなと、今回学びました。
これから親の入居準備に向き合う方も、どうか肩の力を抜いて、最低限から始めてみてください。
終活9つのテーマなど、親の介護にまつわる準備の話は、これからも少しずつ書いていこうと思います。
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